秋の七草『フジバカマ』が良い香りだと知り、見に行ったら『旅する蝶!アサギマダラ』にも出会えました。
秋の七草『藤袴・フジバカマ』
秋の七草の『藤袴・フジバカマ』は平安時代には
干した茎や葉っぱを水につけて
髪を洗ったと言われていると知り、その匂いが
桜餅のような匂いがするとそうで
(本当かなぁ?嗅いでみたいなぁ~)と思っていました。
通勤途中のラジオから、県内で『フジバカマ』の畑があり
触れることが出来ると知り、見に行って来ました。
フジバカマの匂いは?
畑に到着しました。わぁ~フジバカマを初めて見ました。
私の胸の辺りまであり、茎はひょろりとした感じで
風になびいていました。
すぐにでも、匂いを嗅ぎたいと思いましたが…
このご時世ですし、他の方もいらっしゃるので
ラジオでお聞きした(1000円以上の寄付でフジバカマを
少し分けて頂ける)通りに、入り口にいらした方に
お金をお渡しして3本のフジバカマを手に入れました。
フジバカマは現在の日本には自生に適した環境が
少なくなったため激減し、絶滅危惧種となっているそうです。
そんな貴重なフジバカマ♡
では「くん くん」 くんくん!
おおーっ(*’▽’)かすかに、桜もちの香りがしますよ~
係りの人に(乾燥させると1年ぐらい良い香りがするよ~)
と教えて頂きました。
家に持ち帰って飾ろうと思ったのですが…
だんだんと元気がなくなり、家に着いたら
しなしなでした(>_<) ので
そのまま外に干してドライフラワーにしました。
そばを通ると、ふわ~っと良い香りが
漂ってきます。くんくん! はぁ~♡
やっぱり!干したほうが良い香りが何倍も
ハッキリと分かります。
小さな布の袋に入れて「匂い袋」を作ろうと思います。
一眼レフカメラを持った方達!
私の目的は「フジバカマ」でしたが
5~6人の方が、高そうな一眼レフカメラ?を
抱えて、何かを狙っています。
一匹の蝶々に、みんながカメラを向けています。
なんと、ここは『旅するチョウ!アサギマダラ』が
見れる所だったのです。
「アサギマダラ」のために、フジバカマを育てているのです。
アサギマダラの好きな花は!
photo=写真AC mint*cameraさま
アサギマダラの事を知るために、何冊か本を読みましたが
アサギマダラが好きな花は「ヨツバヒヨドリ」
という食物の花と書いてあり
アサギマダラの大好物のようです。
アサギマダラが蜜を吸う花は決まっているのか?
アサギマダラはグルメです。好きな花が決まっており
好みのランキングもほぼ決まっています。
その結果、特定の花が群落を作っている場所には
アサギマダラも群れをなして集まることになります。
ランキングのトップに来るのは、ヨツバヒヨドリ、ヒヨドリバナ
ヤマヒヨドリバナ、『フジバカマ』などの
キク科ヒヨドリバナ属の植物です。
セイタカアワダチソウ、アメリカセンダングサなどの
外来植物も利用されます。秋の移動ではアザミも
好きな植物の1つです。
以上はいずれもキク科の植物です。
引用元:謎の蝶 アサギマダラはなぜ海を渡るのか?
著者:栗田昌裕 発行元:PHP研究所
本を読み進めると、「フジバカマ」もアサギマダラの
好きな花である事がわかりました。
「フジバカマ」も「ヨツバヒヨドリ」も同じキク科です。
ヨツバヒヨドリの写真をネットで見ましたら
私が実際に見た、フジバカマと花と茎も同じに
見えますが、葉の特徴で見分けられるそうです。
アサギマダラの「アサギ」色とは?
アサギマダラの「アサギ」とはアサギ色という色彩を表します。
アサギ色とは「浅黄色」または「浅葱色」と書き
「明るい空色」を表します。
この蝶は、写真で見ると白と茶色の模様が
あるように見えますが
実際に飛んでいる時には、半透明の部分に
状況によって青っぽい色彩が
見えることがあるのです。特に
背後からの光が透けて見えるときに
美しいブルーに見えることがあります。
引用元:謎の蝶アサギマダラはなぜ海を渡るのか?
著者:栗田昌裕 発行元:株式会社PHP研究所
著者の栗田氏が特に美しいと思うのは
「ほたる」と名付けた状態のときで
日陰になった森林の暗さを背景にして
アサギマダラが飛んでいるときに
翅(はね)に日光が表面から当たり
その翅を透かして、青白く発光するように
見えるときだそうです。
私が実際に見た感想は、わあ~「大きい蝶だなぁ~」
というのが1番で、アゲハ蝶ぐらいの大きさ!
次に、白と茶色の模様が目につき地味な印象でしたが
フジバカマの花の上を「ふわり ふわり」と
舞い上がると、アサギ色と言われる
明るい空色!ブルー!光り輝くブルー!
なんてキレイな蝶なんだろう~と感じました。
皆さまが「アサギマダラ」に惹かれる理由は
これなのだと思いました。
アサギマダラについて
photo=太郎生道里夢:辻村龍哉さま
アサギマダラは日本中で見つかるそうです。
私も今までに見かけた事があるのでしょうか?
アゲハ蝶だと思った中に居たのかもしれませんね。
アサギマダラは『旅する蝶』と言われていますが
私は初めて聞きました。
旅する蝶なのか?
アサギマダラは本当に「渡りをする蝶」です。
三十年余にわたる多くの人々のマーキング調査を
通して、春と秋とで世代交代しながら
春には北上の旅、秋には南下の旅をすることが
徐々に明確になってきました。
すべてのアサギマダラが長距離を移動するか
どうかは、議論の余地がありますが
1000㎞から2000㎞の距離を
移動している例が数多く観察されています。
著者がマーキングした蝶だけでも
1000例以上が遠隔の地で再捕獲されています。
引用元:謎の蝶アサギマダラはなぜ海を渡るのか?
著者:栗田昌裕
発行元:PHP研究所
○日本のアサギマダラは気温の上がる春から夏に
日本列島を北上し、各地で卵を産んで世代交代をし
夏の間は標高1000m以上の高原地帯が主な生息場所です。
秋になると子や孫が越冬のため南下し
日本の多くの地域では幼虫で越冬しますが
沖縄など温暖な地域では冬でも成虫が見られます。
○マーキングについて
アサギマダラを捕獲したら、翅にマーキングをし
情報の記録をし放ちます。
その情報をネットなどに公開すれば、別の場所で
見つかると報告がもらえます。
<マーキングの注意点>
油性のフェルトペンで左右両方の後翅の裏に
マークを優しく書き込みます。
<記録する情報>
・マーク=自分のイニシャルや個体別の番号など
・オスかメスか=オスは後翅に黒い模様がある。
・見つけた日や時間と場所
引用元:旅する動物図鑑
著者:水野昌彦
発行所:株式会社筑摩書房
私が行ったフジバカマの畑は、一般の方の捕獲は禁止です。
調査員のマークを付けた人が、生態調査のために
捕獲し、他の方が行なったマーキングがないか
確認したり、新しくマーキングをしたりして
優しく自然に返しています。
捕獲の際は、翅を傷つけないように
優しい材質の捕虫網で、細心の注意を払いながら
行っています。
もしも自分で捕獲する機会がありましたら
翅を傷つけることがないように
マーキングの仕方(特に蝶の押さえ方など)を
調べてからでないと、してはいけないと思いました。
アサギマダラの寿命は?
アサギマダラはどのぐらいの寿命なのでしょうか?
通常は羽化してからおよそ数ヶ月と考えてよい
と思われます。<春の個体の場合>は
秋に産卵されて幼虫の形態で越冬し
暖かくなる3月下旬から5月にかけて
蛹化と羽化をします。
そこから北上の旅が始まり、本州のどこかで
子孫を残して、多くの個体は夏の前に
一生を終えます。したがって、北上個体は
3月に羽化して8月まで生き延びても
半年という計算になります。卵から数えると
11月に産卵されたら、8~9か月の寿命となります。
参考元:謎の蝶アサギマダラはなぜ海を渡るのか?
著者:栗田昌裕 発行元:PHP研究所
アサギマダラの幼虫が食べるのは?
アサギマダラの幼虫が食べるのは
ガガイモ科の植物と決まっているそうです。
私が行ったフジバカマの畑の日陰になる所に
ガガイモ科のつる植物『キジョラン』が
植えられていました。
表面がツヤツヤした大きめの葉っぱで
つるがあり上に伸びていました。
常緑植物だそうで、今も卵から幼虫が生まれて
葉っぱを食べているそうです。
一般にアルカロイドと呼ばれる毒性のある成分が
含まれていて、それを食べて育つため、幼虫にも
成虫にも体に毒性が含まれています。
そのため、他の蝶と違って鳥などに
襲われる事はあまりないと言われているそうです。
※著者の栗田氏はアサギマダラが鳥類やその他の
捕食者に襲われた様子を目撃したことで
この説に疑問をお持ちでした。
参考元:謎の蝶アサギマダラはなぜ海を渡るのか?
著者:栗田昌裕 発行元:PHP研究所
アサギマダラはどこで育つのか?
アサギマダラは、秋は南下の旅をして途中の常緑の植物が
あるところで卵を産みながら移動し
その卵は孵化して、冬の間は幼虫で過ごします。
その場所は日本の南部ということになり
関東から中部、近畿、四国地方の太平洋岸、瀬戸内海の一部
九州地方、そして南西諸島から台湾までと
考えられ、代表的な常緑の食草である
キジョランの分布とほぼ一致します。
春は成長し蛹化と羽化をして北上し
イケマ(キョウチクトウ科 ガガイモ亜科イケマ属)という
植物を食草にする場合は、イケマが分布する
海抜1000mを超えるような
高原地帯で育つこともあるそうです。
参考元:謎の蝶アサギマダラはなぜ海を渡るのか?
著者:栗田昌裕 発行元:PHP研究所
アサギマダラをもっと知りたい!
photo:写真AC pandaful workshop
栗田氏の『謎の蝶アサギマダラはなぜ海を渡るのか?』は
2013年発行の著書です。
2003年から全国を巡りながらアサギマダラの調査を
10年間続けられて、個人で13万頭余りの
アサギマダラにマーキングをし、ご自身での再捕獲や
他の方が捕獲して得た情報を整理・分析された
興味深い内容がたくさん記載されています。
あんなに、か弱い体でその様なことが出来るなんて
想像できませんでした。
アサギマダラは台風の時期に南下の旅をするので
しっかりとした脚力で小枝にしがみついているそうです。
○アサギマダラは匂いに敏感でわずかな量の「藤袴・フジバカマ」でも
見つけて、訪れることがある事!
○アサギマダラは天候や気象に敏感で、栗田氏の観察によると
温暖前線や寒冷前線、梅雨前線、台風の状況なども
何らかのセンサーを用いて読んでいるかもしれない事!
○アサギマダラが結ぶ「出会いの不思議」について
(アサギマダラが人間を結ぶ)と感じられた事!
〇栗田氏が10年間の調査の、その詳細な情報量や
分析力、観察力の凄さに驚いた事!
〇栗田氏が数多くのアサギマダラを観察した
集大成として『24の飛翔パターン』を見分けられて
分類された事!(この様な分類にかけられ時間や忍耐力を
想像することができません。すごいです!)
〇国境を越えて台湾に2231kmも移動した事例がある事!
〇10年に及ぶ調査にもかかわらず、アサギマダラには
まだまだ謎が多くある事!
〇アサギマダラはなぜ海を渡るのか?について
栗田氏の仮説では1万年前の地殻変動が関係している
と考えている事!
参考元:謎の蝶アサギマダラはなぜ海を渡るのか?
著者:栗田昌裕 発売元:PHP研究所
巻末に『未来を担う方々へのメッセージ』があります。
巻末の謝辞には本書は筆者個人の見解で、この記載が
かえってアサギマダラとその調査に携わっている方々に
関する偏った誤解を招かないことを切に祈ります。
との記載があります。
フジバカマとアサギマダラの感想!
謎の蝶アサギマダラはなぜ海を渡るのか?を読み
栗田氏がアサギマダラの調査に、何時間も何日も、何か月も
かけられたことに驚くとともに、飛翔パターンの観察や
マーキングの調査にかけられた情熱、忍耐力、強い意志や
観察力に尊敬の念を覚えました。
読み進めると「へぇ~、そーなの?なるほど!えーっ‼」
こんな言葉が出てくる本で知らない事ばかりでした。
そしてまだまだ多くの謎が残る「アサギマダラ」だと知りました。
今回、フジバカマとアサギマダラに出会ったのは
三重県津市美杉町太郎生のフジバカマ畑です。
太郎生道里夢会員の高齢化のため現在は
アサギマダラファンクラブ会員による
維持活動と会費にて運営されています。
10月の初旬に気温がぐっと下がった日が
2~3日続いたのでアサギマダラは
少し南下してしまったようで
私が行った日は1匹のアサギマダラしかいませんでした(>_<)
それでも、ふわ~り ふわふわと優雅に舞って
あまり人間を怖がらない感じがしました。
他の蝶々なら、1度近づき過ぎると
すぐに高く飛びたち、どこかへ行ってしまうのに
アサギマダラは近づくと、ふわりと逃げますが
すぐにまた、花の所に戻ってきました。
去年はアサギマダラの数が多かったのですが
今年は少ないとおっしゃっていました。
栗田氏の著書の中にも、年々「ヨツバヒヨドリ」の
繁茂する面積が縮小してきていると
書かれていましたから、本の発行から9年が経ちますし
ここ最近の異常気象が原因で「アサギマダラ」の個体数が
減っているのかなぁ?と心配しています。
アサギマダラは、今の状況にちゃんと順応しているのか?
心配しています。来年はたくさんのアサギマダラが
見れるといいですね。
ここで花の蜜をたくさん吸って!栄養をつけて
元気に南への旅を続けていって欲しいですね~
気を付けてね~元気でね~
来年もまた来てね~
そうアサギマダラちゃん?アサギマダラくん?に
話しかけて家に帰りました。
そして帰りはグーグルマップを作動させず
帰ったら、どこをどう間違えたのか
全然違う所に出て(?_?)
すごく遠回りして帰ることになりました(;゚Д゚)
方向音痴の私はアサギマダラにはなれませんねぇ(笑)
綺麗なアサギマダラです。⇩⇩⇩

アサギマダラと人間の女の子との
交流を書いた児童書を
ご紹介します。
作:横田明子 絵:井川ゆり子
発行所:株式会社国土社
〇仲良しの友達「のんちゃん」が引っ越すことになり
さみしくて、ひどい態度をしてしまい
落ち込んでいる女の子「メイちゃん」
ごめんね。を伝える手紙を届けたい……
その時 1匹のアサギマダラがやってきて
『ぼくが手紙になるよ』……
さあ アサギマダラの「フウ」は
メイちゃんの手紙を届けられるかな?
※太郎生道里夢の辻村龍哉さま
お写真の掲載をご承諾頂きありがとうございました。
※アイキャッチ画像:ACイラスト=ぷんたん様
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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ありがとうございました(*^_^*)
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