不登校とひきこもりの理解と望ましい支援のあり方の講演!講師:斎藤環氏のお話しを聞きに行ってきました。おすすめの本も紹介します。
講演会に参加した経緯!
筑波大学医学医療系社会精神保健学部教授 斎藤環氏
ひきこもりの理解と望ましい支援のあり方について
ひきこもりを長期化させないために~の講演がありました。
聴きに行こうと、思い立ったのは
私の息子20歳が中1の夏休み明けから
不登校となりそれから今年で引きこもり生活7年目になりました。
私達の死後!息子が生きていく為にどうしたらいいのか
と日々気になっていた所、斎藤環氏の著書
「ひきこもりのライフプラン「親亡き後」をどうするか?
斎藤環//著 畠中雅子//著 岩波ブックレット」
を読みしばらくして、斎藤環氏の講演会がある事を知り参加しました。
不登校について
講演会の資料や聞いた事をお伝えします。
◆文部科学省の学校基本調査
文部科学省が公表した問題行動・不登校調査によると
2019年度に不登校が理由で小中学校を30日以上欠席した生徒は
18万1272人で、過去最高を更新した。
最近の3年間は、毎年約2万人ずつの増加が続いており
異常事態と言ってよい。
2020年度はコロナ禍の影響もあり、20万人を超える可能性もある。
引用元:斎藤環氏の講演資料より
生徒の無気力と回答しているが、これはナンセンスだとおっしゃっていました。
原因は
■いじめを受けている
■教師からのハラスメント(理不尽な指導)
■中1ギャップ
■スクールカースト(日本の教室空間において生徒間に自然発生する身分差)
など不登校の原因はたくさんあると斎藤氏は、はっきりと言っていました。
・心身の問題ではなく、原因は外的なので、子どもの治療だけでは解決しない。
話し合いが必要。
・小児期のいじめ被害が成人後の健康状態に及ぼす影響。
被害を受けなかった人と比べ社会的、経済的、あるは健康面において
高いリスクがある。
・いじめ被害の経験は、社交関係の欠如、経済的困難
50歳時点での生活満足度の低さなどに関連していた。
参考元:斎藤環氏の講演資料と講演内容より
いじめ問題の基本対応
いじめの加害者と被害者を対面させお互いが頭を下げ謝罪する
このような事は茶番だ!と斎藤氏はおっしゃっていました。
■解決の条件
①加害者の謝罪
②加害者の処罰・処分
③被害者の納得
■被害者におけるPTSD化の問題
■加害者支援の課題「配慮ある処罰」
■悪質なものに対しては司法の介入も
■スクールカースト化の予防(ランダムな席替えなど)
引用元:斎藤環氏の講演資料より
基本的対応:登校刺激の是非を巡って
■「再登校」を目標にしない!
再登校はゴールではない、ゴールにしてはいけない。
どうすればこの子が(家の中で)元気になるか
■どうすればこの子が(家の中で)元気になるかを目標にする。
■まず十分な休養期間を保証し、必要に応じて環境調整や治療も行う。
(自主性を尊重しながら)
■常に本人の「拒否権」を尊重し、子供自身が進むべき方向を
選択できるまで、干渉を控えて見守る。
■教条主義的な「登校刺激の禁止」の問題
学校は不登校の子どもをほっとくことにした、一部の誤解から
何もしなかった事もあるが放任は一番ダメな事。
・再登校し苦労した方が良い=間違った考え。
・抑圧しないと人間は成長しない=間違った考え。
尊厳を大事にして欲しい、抑圧では逆効果になる。
■基本姿勢:関わりを持ち、働きかけながら状況を観察し
その結果にもとづいて軌道修正をはかる。
■家庭訪問などの「登校刺激」は常にタブーとは限らない。
本人の拒否を尊重し、押し付けにならないように。引用元:斎藤環氏の講演資料と講演内容より
「発達障害バブル」の問題
・医療現場では見過ごされがちであり、医療以外の現場では過剰診断の傾向。
・一部では「空気の読めない孤立しがちな変わり者」
へのレッテルと化している。・診断の手順が曖昧でDSM-IVのみでは正確な診断が難しい。
・その診断を下すことで本人の自己洞察が深まり、生きやすさが
増すようであれば診断には意味がある。・診断を下すのは自ら治療・診断に関わりうる
専門家に限定されるべきである。 引用元:斎藤環氏の講演資料より
不登校と引きこもりの関連性
2020年度、不登校の子どもは19万人と推定され
不登校事例全体の10~20%程度が、長期の社会的ひきこもり
状態に至ることが推定される(4万人弱もの人数になる)
長期化すると引きこもりになってしまうケースが多い。
8050問題!親が亡くなった後は引きこもっている人は
孤独死する。孤独死が増えると予想されている。

たくさんお読みくださりありがとうございます。
ちょっと、休憩しませんか?
お茶とおだんご どうぞ~(^o^)丿
社会的ひきこもりの定義、特徴!
ひきこもりの定義=六か月以上社会参加せず精神障害を第一の原因としない。
斎藤氏の発言ではひきこもりから就業出来る人は数千人ほどで
本人の自助努力では解決しないそうで
斎藤氏が関わった中で30年で3人だけだと聞きました。
抜けられた方は、友人・知人・専門家など
第三者の支援を受け入れた人だそうです。
かなり少なくて驚きました。
家の息子はもう無理なのかもしれないと不安になりました。
ひきこもりの特徴
・不登校との関連性は高く、1970年代後半から増加。
・全国で数十万から百万人と推定され、比較的、男性事例が多い。
・どのような家庭のどのような子供にも起こりうる。
・しばしば著しい長期化(数年から十数年)に至る。
・長期化とともに精神症状や家庭内暴力などの
問題行動が出現しやすい。・ひきこもりのきっかけは多様だが、長期化の
パターンは共通点が多い。・長期化に至った事例が自力で社会参加を果たすことは
著しく困難→高年齢化の問題引用元:斎藤環氏の講演資料より
家族の基本的な心構え
ひきこもっている人は
たまたま困難な状況にある、まともな人!
こうゆう見方をすれば、関係性が良くなるし
その人の強みを大事にし良い所を伸ばすように
向き合うことが大切ですと強調してました。
・本人が安心してひきこもれる関係づくり
・覚悟と根気 信じて待つ(一定の距離を保つ)
・「怠け」 「甘え」 「わがまま」などは禁句
・まずは両親が一致団結する。
・北風より太陽
・愛情より親切(あたたかく接する)
・「遠慮」の効能(相手を不快にさせない)
・受容の枠組みを設定(金銭管理は一定額に)
・暴力は徹底拒否する
・原因追及・犯人探しは禁物
・親もプライベートを楽しむ!引用元:斎藤環氏の講演資料より
ひきこもりと「対話」
対話とは面と向かって声を出して言葉を交わすこと
・思春期問題の多くは「対話」の不足や欠如からこじれていく
・議論、説得、尋問、𠮟咤激励は「対話」ではなく「独り言」である。
独り言の積み重ねがしばしば事態をこじらせる。・外出させたい、仕事に就かせたい、といった「下心」は
脇において、本人の言葉に耳を傾ける。・基本姿勢は相手に対する肯定的態度。肯定とは「そのままでいい」
よりも「あなたのことをもっと知りたい」・対話の目的は「対話を続けること」相手を変えること
何かを決めること、結論を出すことではない。引用元:斎藤環氏の講演資料より
対話とは、将来どうするの?こうしたら?こんなアルバイトがあるよ?
こうゆう感じのアドバイスや提案になりがちででした。
そうではなく、中身のない、軽い話題、他愛のないおしゃべりを
たくさんしないと心をほぐすことは出来ないんだなぁと思いました。
さらに対話的であるために
・当事者の合意と拒否権を尊重し、決定は常に当事者参加で
・対話とは主観性の交換である。「客観性」や「正しいこと」は
役に立たない。・診断や症状名で考えない。
「困難な状況にあるまともな人」として見る。・選択肢を広げる:アイデアを「お盆に載せる」
・対話主義:対話が続いてさえいれば何とかなる、という視点
・調和しすぎると居心地が悪くなる、いろいろな意見を聞いて本人が決める。
引用元:斎藤環氏の講演資料より
「対話」の回復
・相互間と共感性を大切に
・断絶の場合はまず挨拶の励行から
・「これ見て悟れ」式は不適
・本人からの訴えは、さえぎらずに最後まで聴く
・話題の選択:まず話したいという態度を示す
・将来 仕事 学校 過去の栄光 同級生の噂話 などは禁物!
・ニュース スポーツ 芸能界などの時事的なものは可
引用元:斎藤環氏の講演資料より
あなたと話したい! いつも そう心の中で息子に語りかけています。
うなずくだけだけど
私の独り言みたいになってるけど
息子の顔を見た時は、たわいのない話しの1つは
していますが、反応はないけど(T_T)
しゃべってもらえないけど
諦めずに接しています。
皆さんもいろいろ試して欲しいなぁ~と思っています。
ひきこもりのライフプラン
今回の講演資料に「ひきこもりのライフプラン」の
項目はあったのですが、講演時間が1時間と
短かったので、一番聞きたかったこの項目のお話しは
なかったのですが、講演資料を記載します。
・本人の住居を確保した上で別居し、年金受給年齢までの
年収(100万円程度?)を確保する。・財産リストを作成し、老後の生活資金、介護の問題
相続の問題、親の死後の問題などを具体的に検討しておく。・フィナンシャルプランナーなどに相談する方法もある。
・リバースモーゲージ、確定拠出年金、相続と遺言書。
・両親からの生活費支給を早い段階で中止し
第三者(治療者、支援者)から定期的に生活費を
貸し与えるシステムを構築する。・福祉制度の活用(生活保護、自立支援、障害者基礎年金など)
新版 ひきこもりのライフプラン 「親亡き後」どうするか
著者:斎藤環、畠中雅子
上記の著書を読みました。
■斎藤環氏のお書きになった部分は講演内容を詳しくしたものです。
講演資料だけでは、理解できないことがたくさん有りますので
是非ともお読み頂きたいと思います。
また、ひきこもり状態の約1~2割に慢性の家庭内暴力が伴うようです。
講演資料でも家庭内暴力への対処法の記述がありましたが
今回の講演ではお話しがありませんでした。
それに、私の息子には暴力の傾向は一切ありませんので
助言等も出来ませんので…
今 家庭内暴力でお悩みの方には、ぜひ
この著書をお読みいただきたいと思います。
■畠中雅子氏のお書きになった「ひきこもりのライフプラン」
まずは「働けない状況が続く前提」でプランを考える。
私がプランを考える場合。確認する項目⇩⇩
一生涯の生活が成り立つプラン
私とパートナーさんの収入・支出の確認
今ある資産残高の確認や持ち家をどうするか?
息子1人で住むには広すぎる家
家を売却した場合(田舎で交通機関も不便な為資産価値無し)
息子は何処に住むか?
親亡き後、誰に息子のサポートを頼めばよいか?
成年後見制度の利用の検討(兄弟姉妹に頼めない場合)
後見期間が長いと高額になるため、利用できそうにない
私達が認知症になった場合に備えて家族信託の検討
私達の葬式をどうするか?
私達の死後の相続についてどうするか?
相続でもめない為にどうするか?
息子に資産を多く残すときは兄弟姉妹に謝罪の言葉を伝える
息子の1人暮らしへの準備の検討
参考元:ひきこもりライフプラン 畠中雅子氏の執筆部分より 発行所:岩波書店
最後に私の思い!
息子がアルバイトが出来るようになる!そんなプラスのことは考えずに
というか、もう働くのは無理だろうなぁ~そう思っています。
ですのでなんとか節約して、少しでもお金を残したい
でもそれだけでは私達の生きる楽しみが無い
そんなことを日々思いながら、迷いながら過ごしています。
でも最優先にすることは、息子が安心して暮らせること
働けなくても大丈夫なんだよ、安心してね。
こんなライフプランがあるんだよ
ちゃんと考えているよ。そう伝えたい。
少しでも前向き生きていって欲しい
そう願うばかりです。
皆さんは、子供さんとお話し出来ていますか?
言い争いになっていませんか?
私がこんなに息子に優しくなれるのは「なぜ?」
そう思いますか?
それは、私が息子に「ごめんね。」って思っているからです。
私も社交性が無く、人と接するのが苦手です。
私のDNAが息子に受け継がれ
息子に苦労させているといつも思っています。
だから、いつも いつも ごめんね。
で心が一杯です。
しんみりなってしまいましたね。
さあ 元気出そう!
頑張ってる自分の頭をなでなでしてあげました。

よしよしヾ(・ω・`)
なんかいい気分♡ イケメン俳優にしてもらわなくても(笑)
元気でたーーーっ(笑)
明日もがんばろぉぉーーー(^o^)/
※斎藤環様 講演資料とお聞きした内容のブログへの引用を
ご承諾下さいまして誠にありがとうございました。
※アイキャッチ画像:ACイラスト=くり坊様
※講演会のイラスト:Loose Drawing様
ここまでお読みいただきありがとうございました。

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